speculum-スペクルム- 1話

 

所要時間:約25分

作者:yuka

利用規約  台本を使用する前に必ずお読みください。


<役>

ルナ♀:ミラの部屋の鏡の中にいるミラとそっくりな女の子。(15歳)

ミラ♀:元気で素直な女の子。ルナとそっくり。(15歳)

ソル♀:ミラの母親。(38歳)

カエルム♂:ミラの友達。(18歳)

アミー♂:鏡の中にだけあるくまのぬいぐるみ。ルナの友達。


<役表>  ♂2:♀3
ルナ♀:
ミラ♀:
ソル♀:
カエルム♂:
アミー♂:

※アミーは男性表記になっていますが、女性がやっても構いません。

 

 



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-出会い(5年前)-


ソル:昔々、街の外れの一軒家。そこには仲のいい夫婦が住んでいました。

ミラ:お父さんとお母さん!

ソル:夫婦の間には可愛い可愛い女の子が一人生まれました。

ミラ:私だ!

ソル:ふふっ、そうね。ある日、仕事に出たお父さんは帰ってこず…この家には、小さな女の子とお母さんの二人きり。
   お母さんは、その子に寂しい思いをさせてはいけないと天にお祈りをしました。
   するとどうでしょう。鏡の中に、女の子のお友達が現れたのです。

ミラ:おともだち…?

ソル:お友達は女の子にそっくり。すぐに仲良くなれると思うわ。
   10歳の誕生日おめでとう、ミラ。これが貴方のお友達よ。

(鏡にかかった布を捲るとそこにはミラの姿だけが写っている)

ミラ:鏡…なんで私しか写ってないの?お母さんは?

ソル:それはね、ミラ。この鏡に写ってるミラがミラのお友達だからよ。

ミラ:…?

ルナ:ミラ…?

ミラ:!!?

ソル:ふふっ、ビックリしたでしょう?ミラ、この子がミラにそっくりのお友達よ。
   ルナっていうのよ。ルナ、この子がミラよ。二人ともきっと仲良くなれるわ。

ミラ:………

ルナ:ミラ…へへっ、私はルナだよ。よろしくね、ミラ。

ミラ:よ、よろしく…

ルナ:ミラのこと聞いてから、ずっと会いたかったんだ!
   本当に一緒なんだね。何だか嬉しい(右手を鏡に当てる)

ミラ:私も…何だか不思議。よろしく、ルナ(ルナの手に合わせるように左手を鏡に当てる)

ソル:あらあら、手を合わせて…本当に鏡みたいね。
   ルナ、ミラのことよろしくね。



ミラM:これが、私たちの出会い。



-5年後ー



ソルM:それから5年後。



ルナ:ミラー!起きて!ミーラー!!

ミラ:ん…ぅ、もうちょっと…むにゃむにゃ……

ルナ:今日は街に出かけるんじゃないのー?

ミラ:ん…ぅん…街、行…く…すぅ…

ルナ:男の子と出かけるんでしょー?

ミラ:男の…子?ハッ!そうだ!カエルムと約束!!

ルナ:おぉ、起きた。おはよう。ミラ。

ミラ:大変!もうこんな時間!あーっ、何着てこう…

ルナ:昨日の夜、明日朝選べばいいやーって寝ちゃったじゃない。

ミラ:そうだけど!早起きするつもりで…あー…どうしよー…

ルナ:全く…しょうがないなぁ。ねーえ、ミラ。私の姿見て。

ミラ:今はそんな時間…って、あれ?どうしたの、ルナ。そんなお洒落して。
   似合うね、そのピンクのワンピース。

ルナ:これ、クローゼットに入ってるから。今日のミラにはぴったりじゃないかな?

ミラ:私に…?

ルナ:うん。

ミラ:!!(クローゼットを漁る)あった!私こんな服持ってたんだー…ありがとう!ルナ!!

ルナ:うん、似合う似合う。デート、頑張ってきてね。

ミラ:デートじゃないよっ!

ルナ:待ち合わせ場所は?

ミラ:街の広場の噴水のとこ。ひゃー!もう行かなきゃ!!

ルナ:やっぱりデートじゃん。

ミラ:違うって!あぁ、いってきまーす!

ルナ:いってらっしゃーい。………はぁ。

アミー:そんな寂しそうな顔するなよ。

ルナ:アミー…起きてたの?

アミー:ルナが大声出すからな。

ルナ:ふふっ、ごめんね。

アミー:外に連れ出してやることはできないが、鏡の中でくまのぬいぐるみと出来ることでなら相手してやってもいいぜ?

ルナ:んー、そうねぇ…じゃあ、今日はアミーに似合う素敵なドレスを作ろうかな。

アミー:うっ…それだけは勘弁してくれ!




【街の広場の噴水】



ミラ:カエルムー!!!!(走ってくる)

カエルム:ミラ。遅い。

ミラ:はぁっ…はぁ…ごめん。

カエルム:どうせ寝坊でもしたんだろ?

ミラ:うっ…ごめんなさい。

カエルム:相変わらず正直だな。少しは言い訳考えてみろよ。

ミラ:言い訳…あ、来る途中に!大きな熊に追いかけられて…

カエルム:はいはい。今更言い訳しても遅いから。第一熊に追いかけられるって…(呆れ笑い)

ミラ:う…だって、カエルムが言い訳しろって…

カエルム:しろとは言ってないだろ?もうちょっと頭使えるようになるといいな?

ミラ:うぅ……

カエルム:ん?ミラ、腕のとこ怪我してないか?

ミラ:え?あぁ…これ?走ってたら、木の枝で擦っちゃって。

カエルム:気をつけろよな。一応、女の子なんだから。

ミラ:はぁい。

カエルム:今日は何買うんだ?

ミラ:あ、えっと今日はね。お母さんに頼まれた食材と…あ、あと可愛い小物や布とか洋服の売ってるところ見たいな。

カエルム:お前さー、キャラに似合わず可愛いモノとか好きだよな。
     よく小物や布見てるし、今日の服もピンクだしさ。

ミラ:あー、私のじゃないよ。私はあんまり興味ないし。

カエルム:?じゃあ、お母さんの趣味?

ミラ:ううん。お母さんもあんまりそういうのは興味ないんじゃないかな。

カエルム:??じゃあ誰?ミラの家ってお母さんとお前だけじゃなかったっけ?

ミラ:…う、うん。多分……

カエルム:多分?

ミラ:あー…絶対!

カエルム:ミラ。

ミラ:はい。

カエルム:お前、嘘下手だな。

ミラ:う……

カエルム:誰か一緒に住んでるの?俺、お母さんしか見たことないけど。

ミラ:…誰にも言わない?

カエルム:うん。

ミラ:実はね………



【家。ミラの部屋】


アミー:あ、ルナ。

ルナ:ん?

アミー:腕、怪我してるぜ?

ルナ:本当だ。ミラ、急いで転んだりしたのかな?

アミー:かもな。よかったな、擦り傷で。
    しかし、アイツもよく怪我するよな。

ルナ:…ねぇ、アミー。

アミー:ん?

ルナ:走って、転んで、怪我をするってさ…どういうことなんだろうね。
   外ってさ、いっぱい走れる野原や道があって、それで石やデコボコに躓いて転んじゃってさ、
   地面とかに身体擦って怪我しちゃうんでしょ。
   その時ってどう思うんだろうね。どうして転んじゃって、痛くなるんだろうね。

アミー:それを転んで怪我しないくまのぬいぐるみに聞くのか?愚問だぜ?

ルナ:…ん、それもそっか。さ、出来たよ。アミーに似合うと思うな。この黄色のドレス。

アミー:だから!それだけはやめろって言ったのに!何で作るんだよ!

ルナ:だって、私の楽しみなんだもん。アミーに似合う服作るのって。

アミー:ミラに似合う髪型考えるのは?

ルナ:それは今日はお休み。さ、せっかく作ったんだから着てみせて?ほら、ばんざーい。

アミー:うわあああああ!やめろおおおおおおお!!!!

ソル:(ノックをして扉を開ける)ルナ?

アミー:………

ルナ:あ、お母さん。

ソル:誰かと話していた?ミラは今日カエルムと買い物に行っているはずだけれど。

ルナ:ううん。私一人で遊んでいたわ。

ソル:そう。…ねぇ、ルナ。少しお話をしましょうか。

ルナ:うん。私、お母さんのお話好きよ。

ソル:ありがとう、ルナ。
   昔々、街の外れの一軒家。そこには仲のいい夫婦が住んでいました。

ルナ:お父さんとお母さんね。

ソル:そうね。夫婦の間には可愛い可愛い女の子が生まれました。

ルナ:その子供がミラね。

ソル:女の子は双子でした。

ルナ:…え?

ソル:昔から、この国では双子は忌み嫌われていました。そして国には掟があったのです。
   「双子が生まれた場合、先に生まれた方を殺しなさい」と。
   しかし、夫婦の前には生まれたばかりの可愛い女の子が2人。自分たちの可愛い可愛い子供。
   殺すことなんてできない…夫婦は話し合い、二人とも隠して育てることに決めました。
   娘にはルナとミラという名前をつけました。

ルナ:ちょっと待って…どういう……

ソル:しかし、考えが甘かった。隠しておくなんてことはできませんでした。
   掟を破った罪と…お父さんは捕まりました。
   お母さんは考えました。掟に従えば、お父さんは帰ってくると…
   お母さんはお父さんを愛していました。生まれたばかりの娘よりも、ずっと、ずっと、ずっと……

ルナ:………

ソル:そして、お母さんは割れた鏡の破片で女の子の一人の胸を刺してそのまま森に埋めました。
   これでお父さんが返ってくると高揚した気持ちだったわ。
   けれど、お父さんは返ってこなかった…

ルナ:………

ソル:遅かったのよ…お父さんはもう処刑されていた。
   「俺はどうなってもいい。でも、娘と妻は許してくれ」と懇願したそうよ。
   本来なら聞き入れられない願いだけれどね。お父さんの古くからの友人がお偉い方で…
   必死なお父さんを見て受け入れてくれたそうよ。
   双子がいると人目につかぬよう、最低限の生活ができるようにと家まで用意してくれてたんですって。
   それを知らずに、私は娘を殺した。
   私は、愛する人と娘を…同時に失った……

ルナ:その、死んだ子が…私?

ソル:……驚いたわ。ミラの10歳の誕生日、姿見をプレゼントしようと思ったのよ。
   プレゼントに買った大きな姿見、布を捲ったら…そこに写っていたのは私ではなくルナ。貴方だったわ。
   きっと私に復讐しに来たのだと思った。だから私は考えたわ。考えたの。
   そして、お話することにしたわ。
   「昔々、街の外れの一軒家。そこには仲のいい夫婦が住んでいました。」………

ルナ:…「夫婦の間には可愛い可愛い女の子が一人生まれました。
     ある日、仕事に出たお父さんは帰ってこず…この家には、小さな女の子とお母さんの二人きり。
     お母さんは…」

ソル:「お母さんは、その子に寂しい思いをさせてはいけないと天にお祈りをしました。
   するとどうでしょう。鏡の中に、女の子のお友達が現れたのです。
   お母さんは喜びました。そして、天に感謝しそのお友達に名前を付けました。」

ルナ:……「ルナ、と。」

ソル:…ルナ、今日から貴方はミラのお友達よ。ミラのことよろしくね、ルナ。

ルナ:………ッ

ソル:どうして…私たちの前に現れたの?私たち家族を壊しにきたの?

ルナ:…え?

ソル:貴方が生まれた時点で私たち家族は壊れたのよ。私は愛する夫を失って…
   それなのに、まだ私たち家族を壊したいの?一体、いくら私の邪魔をしたら気が済むの?

ルナ:お母さん…

ソル:…このお話。最後まで、貴方たちに話したことなかったわね。
   ルナにだけ先に教えてあげるわ。

ルナ:お母さん…

ソル:でも、鏡の中のお友達は実は悪い魔女でした。お母さんはそれに気づき再び天にお祈りしました。
   お母さんの願いは天に届きました。次の日、鏡の中のお友達は灰になって消えました。
   女の子とお母さんは再び幸せに暮らしましたとさ。おしまい。

ルナ:………

ソル:私の可愛い娘のルナは死んだの。貴方は鏡に現れた魔女よ…
   ミラは渡さないわ。

ルナ:お母さ…

ミラ(声):(被せて)ただいまー

ソル:あら、ミラが帰ってきたわ。(部屋から出ていく)

ルナ:……………

アミー:ルナ…

ルナ:私は…魔女………

アミー:ルナは魔女じゃねぇよ。知ってるか?魔女はピンクの服似合わないんだぜ。

ルナ:…ふふっ、ありがとう、アミー。





ソル:おかえりなさい、ミラ。

ミラ:ただいま、お母さん。

カエルム:お邪魔します、おばさん。

ソル:カエルムも、いらっしゃい。ご苦労様。
   いつもありがとね。

カエルム:いえ、大丈夫です。
     ミラ、ただでさえそそっかしいのに。荷物たくさん運ばせるとすぐ転ぶから。

ソル:ふふっ、貴方みたいな頼りになるお友達がいて、ミラも私も助かってるわ。

ミラ:そうだね。いつもありがとう。
   あ、お母さん。
   ちょっとカエルムを部屋に上げていいかな?渡したいモノがあって。

ソル:部屋に?
   いけません。何故部屋に行く必要があるの?
   此処で渡せばいいじゃない。

ミラ:それは…一人で取り出すのが大変だからさ、カエルムに手伝ってもらおうと思って。

ソル:それなら私が取るのを手伝ってあげるわ。

ミラ:えっと、お母さんに見られたくないっていうかー…あの、だから…

カエルム:あー、おばさん。ごめん。
     ミラがクローゼットの裏にペンダントを落としたって言ってたから。
     俺が取ってやるよっていったんだ。
     ペンダントはおばさんへのプレゼントで、サプライズで渡すために一度俺が預かる予定だったんだ。

ミラ:え?

ソル:あら…そうだったの?

カエルム:うん。ごめんな、ミラ。
     おばさんに秘密って言ってたのにバラしちゃって。

ミラ:え?あ…あー!うん!全然大丈夫。

ソル:そう。私のために…ありがとう、ミラ。
   でもダメよ。部屋に人をあげちゃ。お母さんとの約束でしょ?

ミラ:うん…ごめんなさい。

カエルム:じゃ、俺帰るな。
     おばさん、お邪魔しました。

ミラ:あ、私そこまで送ってくる!

ソル:ええ。またいつでもいらっしゃい。
   いつもありがとうね。

ミラ:じゃ、ちょっと行ってきます。




【帰り道】


カエルム:…はぁ、ダメだったな。

ミラ:…うん………

カエルム:ミラ、お前嘘下手すぎ。

ミラ:うっ…ごめん。

カエルム:うーん。しかしなぁ…ミラの部屋に行かないと会えないんだろ?
     その、ルナ…だっけ?お前そっくりの鏡の中にいる友達。

ミラ:うん…

カエルム:あー…どうすっかなぁ。あの様子じゃおばさんは絶対部屋に上げてくれないし。

ミラ:あ!!

カエルム:あ?

ミラ:そういえば、お母さん今度の街の集会に出るって言ってた!
   その日はたしか、昼から夜までいないはず!!

カエルム:今度の集会ってことは…5日後か。

ミラ:その日に家に来ればいいじゃない!ルナに会わせるわ。

カエルム:あぁ、そうさせてもらうよ。
     ミラ、くれぐれもおばさんにバレないようにしろよ。

ミラ:う、うん!私頑張るよ!!

カエルム:おう。じゃあ、またな。




【ミラの家】



ルナ:わー!素敵よアミー、とっても似合うわ!

アミー:うぅ…どうせならこんなフリフリ黄色のドレスより格好いいタキシードが着たかったぜ…

ルナ:ふふっ、今度作ってあげるわね。

アミー:本当か?

ルナ:うん。約束ね。

ミラ:ただいま。

アミー:………

ルナ:あ、おかえり。ミラ。
今日は転んだの?

ミラ:あぁ、腕の傷?走ってたら木の枝で擦っちゃって…
   またルナにまで怪我させちゃったね。ごめん。

ルナ:ううん、私は大丈夫よ。
   不思議ね、ミラが怪我をすると私も同じところに傷が出来るけど…
   でも、どんなにミラが派手に転んで血を流しても私には傷が出来るだけで痛みはないの。

ミラ:本当、不思議だよね。
   でも、ルナが痛くないならいいや。
   私の所為で、ルナにまで痛い想いさせたくないもの。

ルナ:私だって、できればミラに痛い想いしてほしくないんだけどな。
   あまり転んだりしたら駄目だよ。

ミラ:う…気をつける。

ルナ:うん。
   ねぇ、彼に気に入ってもらえた?ピンクのワンピース。

ミラ:うーん、キャラに似合わず可愛いモノ好きだなって言われちゃった。

ルナ:あら、とっても似合ってるのに。

ミラ:ピンクの服も可愛いモノも、私よりルナの方が断然似合ってるよ。

ルナ:同じ顔じゃない。

ミラ:でも、性格とか雰囲気は違うでしょ?
   私が着たピンクのワンピースとルナが着たピンクのワンピースじゃ、やっぱり見え方が違うと思うの。

ルナ:そうなのかな?
   じゃ、今度は私よりミラにもっと合う服を考えるわね。

ミラ:ありがとう。
   あ、それでね…あのね、ルナ…

ルナ:ん?どうしたの?

ミラ:カエルムにさ、私もお母さんも可愛いモノに興味あるわけじゃないのに、
   いつも可愛い小物とか布を買いに行くことに疑問だったみたいで…
   私、嘘つくの下手でしょ?だから…

ルナ:もしかして…

ミラ:うん。話しちゃった…ルナのこと………

ルナ:……そっか。

ミラ:そしたらね、カエルムがルナに会ってみたいって。

ルナ:え?

ミラ:今日部屋に上げようと思ったんだけど、お母さんに止められちゃって…
   でもね、5日後にある街の集会でお母さん家を留守にするの。
   その時にカエルムとルナを会わせたいんだ。

ルナ:ちょっと待って、ミラ…

ミラ:カエルムはとても優しくていい人なの。ちょっと口の悪い所もあるけれど…
   でも、お母さんとも仲がいいし。私の友達だし。
   ルナもきっと仲良くなれると思うわ。
   部屋に呼んで、会わせてもらえないかな?

ルナ:…………

ミラ:ダメ…かな?

ルナ:…いいわよ。ミラのお友達だもの。私も会いたいわ。

ミラ:ほ、本当?

ルナ:ええ、もちろん。

ミラ:やったー!

ルナ:…ねぇ、ミラ。
   ミラは、私と友達でよかったなって思う?
   鏡の中に…自分と全く同じ姿の友達がいるなんて気持ち悪くない…?

ミラ:何言ってるの、ルナ。
   友達でよかったに決まってるじゃない。
   ルナは私の最高のお友達よ。

ルナ:ミラ…ありがとう。

ミラ:当たり前じゃない。
   あ、でも。いつか鏡の中から出て、一緒に遊べたらいいな。

ルナ:ミラ……

ミラ:なんてね。
   5日後、私に合う服と髪型よろしくね。もちろんルナもだよ!
   私とお母さん以外に会うなんて初めてじゃない?
   おめかししなきゃね!

ルナ:うん、そうね。
   考えておくわ。







ミラ:………(寝息)

ルナ:……………

アミー:…ルナ、寝ないのか?

ルナ:アミー…うん、眠れなくて…

アミー:お母さんが言ったこと気にしてるのか?

ルナ:…ううん、そんなんじゃないよ。
   ミラに似合う服と髪型は何かなーって、考えてたの。

アミー:そうか。

ルナ:うん。5日後にね、ミラがお母さんに内緒でお友達を連れてくるんだって。
   楽しみだなって。

アミー:うん。

ルナ:アミーもおめかししなきゃね?

アミー:タキシードだったら着てやってもいいぜ。

ルナ:ドレスも似合うのに。

アミー:やめてくれ…

ルナ:……嫌われないかな…

アミー:大丈夫だよ。ルナはおしとやかだから。

ルナ:ありがとう、アミー。
   アミーも、大事な私の友達よ。

アミー:当たり前だろ。言わなくてもわかる。

ルナ:うん、ありがとう。



 


speculm-スペクルム- 1話  END


演じてくださりありがとうございました!感想等、いただけたら喜びます。

 

 

 

 

 

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